2018年1月22日月曜日

チャンク化


だれでもやってるはずなのに、意外とおこなわれていない??

概念
 チャンク化

一度テレビでも取り上げられていました。啓蒙本にはかなりの頻度で出現するこのワード。知らない人の方が少なくなってきましたか?
電話番号とか郵便番号が覚えられる理由に関わっています。ランダムな数字の羅列は11桁(携帯電話番号)も覚えることはできませんが、それを3つ、4つ、4つに分類することによって覚えることができるようになります。
記憶力がいいひとは無意識にこのチャンク化をおこなっていると考えられます。
ひとの記憶できる数字の羅列は7つと報告もあり、これをmagic number 7といいます。それ以上は覚えることはできません。
それでも、覚えることができている理由はこのチャンク化が関与しています。
これに追加して、知識の内面化も関与していると考えます。
例えば、自分の家の住所を覚える時、ポケモンの名前を覚える時、なぜ、覚えることができるのかを考えてみましょう。
・magic numberを超えた容量でも内面化される事で記憶が容易になる。

次に提唱すべき概念は記憶の長期保存と忘却曲線です。

記憶は、復習をしなければ30分後にはー%、24時間後には-%まで減弱すると示されています。

記憶のメカニズムには、作業記憶、短期記憶などがあり、作業記憶は英語で言う「Figure out」と思われます(やってみて理解する)。
これには作業をしている分、記憶を保持するための時間がかかりますが、忘れにくいというメリットがあります(自転車の乗り方、自動車の運転の仕方、友達の家への行き方)。

テスト前に積み込み学習、徹夜をして試験に臨んだ内容は1週間もしたらすっかり忘れていることはないですか?
これは記憶が短期記憶であることをさします。

さて、ひとは憶える時に、まず、情報を海馬に移動させます。そこは神経細胞の可塑性が非常にたかく(可塑性というのは変化することが簡単なことを言います。)、そのため、新規の記憶を非常に親和性たかく保持することができます。
しかし、その反面、さらに新規の記憶が入ってきた場合、神経細胞のシナプス形状やLTPが変化し忘却していくと思われます。
この新規の記憶が入ってくる前に、記憶を定着化させるには、神経細胞のシナプス形成をより強固にする必要があります。そのためには、シナプスの伝導性をあげる。数を増やす。形を大きくするといった方法がとられると考えられます。
つまり、同じ刺激を加え続けることが重要になってきます。だから、繰り返し勉強すること、反復練習が必要になってくるわけです。

海馬には約ー個の神経細胞があり、海馬のCA1からCA3に軸索を伸ばし樹状突起と接続するシナプス形成の数は約ー個といわれています。
これは、シナプスに特異的なシナプス小胞の数と一つのシナプスの数から概算します。ないしは、後シナプス膜のタンパク質の数と一つのシナプスの数(密度)から概算されます。
ひとつひとつの神経細胞が、それぞれひとつひとつの記憶に関与しているという仮説は僕の中では理解しにくい仮説です。この仮説では、ひとの記憶の量はそのひとそれぞれの神経細胞の総量に依存してしまいます。そして、神経細胞の再生が脳のある特定の部位(嗅細胞)でしか行われないという既知の報告を考えると(この既知の報告が近年覆されそうになっています)、この理論ではひとは成長期をすぎると頭のできが完全に決定してしまうことになります。それは、少し悲しい事実なので僕はそれ以外の仮説をより深く検証したいと思います。
神経細胞ひとつと他の神経細胞とのコネクションの組み合わせで記憶を形成するというメカニズムも考えられています。この考えは、嗅球のにおいの判別メカニズムでよく理解されます。においの検出器はたかだかー個しか存在しないにもかかわらず、僕たち人間は数千のにおいを判別することができます。この根拠として、においの検出器の組み合わせを変化させることによって異なるにおいを検出していることが示されています。例えば、カレーのにおいを嗅いだ時、Aというにおいが50、Bというにおいが20、Cというにおいが80と判断をして情報を伝達します。これが例えば、Aというにおいが40、Bというにおいが50、Cというにおいが80だとカレーではなくハヤシライスのにおいになるといった感じです。この理屈だと、たかだか3つの検出器が0-100の数をもっているだけで、100かける100かける100で100万のにおいを検出できるという理屈になります。これと同様のことが記憶の形成にも関与しているのではないかという仮説です。神経細胞がA、B、Cの3つであり、この3つが、樹状突起にそれぞれスパイクを100こもっているとします。記憶する時に活動した神経細胞がこれらA。B。Cとシナプス結合することにより記憶を形成すると仮定し、どのくらいの数シナプス結合したら記憶となるか決まってるという仮説です。これを検証するにはどうすればいいのでしょうか。

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